大人的恋愛事情
 
「SEXしてもいいってことは、俺を好きなんじゃないのか?」



座ったまま後ろから抱きしめられる形で、そんな当たり前のことを言う男。



そうだった……。



そもそも好きだからそういうことをするはず。



何年か前までは普通に私もそう思っていたはず。



それなのに……。



いや、でも待って。



そんなことそっちだって……。



思わずすぐ後ろの男を振り返りかけると、首筋に顔を寄せ後ろから優しく抱き締められ。



「俺はずっと好きだった……」



耳元で甘く囁かれて、私の身体からなにかがサアッと引いていくのがわかった。
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