大人的恋愛事情
 
そんな私を同じように足を止めた藤井祥悟が見て暫く黙り込む。



熱いのか冷たいのかわからない視線に晒されて、少し居心地が悪くなりその視線を避けた。



何かを探るように黙っていた男が身体を傾けて、伺うように私が逸らした視界に入って来る。



「わかりにくいな」



呆れたような少し馬鹿にしたような言い方に聞こえて、思わず私の視界に入る男を睨んだ。



「なにが?」



「悪いけど、あまり回りくどい言い方されても、わからねえんだよ」



「そう?」



そりゃあわからないだろうと思いながらも、少し惚けてみたりして。



まさか家に帰れないとは思っていないだろう、藤井祥悟に私が考えていることなどわかるわけもなく。
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