大人的恋愛事情
 
そんなことを思いながら、いつもとは違うエレベーター前でエレベーターを待っていると、上から降りてきて扉が開くので、乗り込もうとして一瞬足が止まった。



そうか……。



このエレベーターは……。



「こんにちは」



エレベーターの中央に立ち、怖いくらいの美貌を持つ女子社員憧れの的が私に笑顔を見せた。



「氷室さん……こんにちは」



慌てて姿勢を正し、出来るだけハッキリと声を出す。



「乗らないの?」



少し微笑みを見せる、その人のオーラに押されながらも、頷き足を踏み出しエレベーターに乗り込んだ。
< 288 / 630 >

この作品をシェア

pagetop