大人的恋愛事情
 
あんな事さえなければ、圭との結婚を躊躇う事などなかった私。



いつかは圭と、今でなくてもその時がきたらと思っていた。



別に逃げているわけでもないけれど、やっぱり藤井祥悟とは遊びの域を超えていなかったりして。



そもそもお互いを知って、こんな関係になってからまだ何週間かしか経っていない相手だったりするし。



だからって……。



「帰る」



ロッカーの扉をバタンと閉めて、サッサと歩き出す私に、詩織と美貴ちゃんの声が聞こえた。



「繭っ、圭と一度ちゃんと話しなよっ!」



「私なら、村岡さんにするけどなぁ」



ホントどうでもいいっ!
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