大人的恋愛事情
 
なにより誰かがいる日常がまた戻ってくる……。



帰っても一人ではなく、二人でいる日常。



だからって、やっぱり一年前とはなにがが変わっていて……。



頭を過るのは、想像すらできない、まったく描けない藤井祥悟との時間。



いい年してとは思うものの、あの低い優しい声を聞くと、胸がギュッとなったりなんかするから。



「繭……」



圭が振り返った姿勢のまま、露わになる私の肌に手を滑らせる。



まだ少し熱い圭の手の温かさ。



それを振り切れる自信がない自分。



それなのに、藤井祥悟を想ったりもする矛盾。
< 392 / 630 >

この作品をシェア

pagetop