大人的恋愛事情
「他の誰でもなく、繭とずっと一緒にいたい」
「……」
「繭」
どこまでも真剣な表情の圭が、何かを決意するように小さく息を吸った。
「俺と結婚して欲しい……して下さい」
それはきっと例のプロポーズというやつで。
朝食の最中にそんなことを言われるとは思ってもいなかったけれど、詩織は確か夕食の時だったと言っていたのを思い出し、そんなにおかしなことでもないと思う。
珍しく真剣な圭の瞳は、少し不安に揺れていたりして。
それが圭の真剣さを物語っているようで、思わず視線を逸らした。