大人的恋愛事情
言葉
 
向かえた月曜の朝から私は、馬鹿みたいにドキドキしていたりして。



ロッカーにそれの入る紙袋を水平になるように慎重に置いていると、不意に声を掛けられて飛び上がりそうなほど驚いた。



「なにやってるんですか?」



後ろから覗き込むように聞いてくる美貴ちゃん。



「え? 別に……」



「それなんですか?」



私のロッカーを覗きながら白のコートを脱ぎ出す。



「なんでもないわよ」



「あぁ、そうか。今日ってバレンタイン……」



「おはよ」



美貴ちゃんの言葉が終わらないうちに、同じくロッカールームに入ってくる詩織。
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