大人的恋愛事情
 
その違いを確認するように藤井祥悟の手が、胸とわき腹や背中を行き来する。



確かに感じる愛がその手から伝わり、愛しい男の素肌を抱き締めた。



「繭」



「うん?」



「ずっとこうしてたい」



「私も」



素肌を触れ合せ、藤井祥悟を感じていたい。



その体温も、鼓動も、息づかいも、胸に溢れる愛も、傍にいてずっとずっと感じていたい。



「ここで一緒に暮らすか?」



抱きしめる男が優しく聞くので、幸せを噛みしめながら頷いた。
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