アイ・ドール

「私――いえ、私でなくても誰もその様には考えないわね――――」


「確かにね――でも、礼子は想い、考えた――――そして彼女達が産まれ、この世界を終わらせようとしている――――たぶん、飽きた――なんて言って、舞ちゃんを説得したんじゃない――――」


「そうよ――――」



「やっぱりね――――飽きた――それも絶望と同義だよ。もっともらしい説明よりも、簡素で潔くて、本質を捉えた礼子らしい言葉だね――」



「正直に言うと、その言葉で全て納得しているとは言い難いのだけれど――――私もああ言った以上、もう聞けないし――」


「えへへ――舞ちゃんの場合は彼女達の存在が魂を動かしているから、ちょっと事情が異なるかな――――だから、もっともらしい説明で納得もしないよね――」


「――――」


「環境破壊を抑え、子供達の未来を守り、争いをなくし、私達の住む母なる地球を守る――――礼子がそんな言葉を吐いて、舞ちゃんは納得するかい――」


「それは、礼子さんらしくないと私も思うけれど」


「そんな歯の浮く様な主張は、安っぽい環境保護団体に任せておけばいいよ――どうせ言葉だけだから」

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