マイティガード
許しを得たマドック刑事は、アネリの向かいに座り、よく磨かれて銀色に輝くナイフとフォークを握る。
だが食欲は湧かなかった。
自分が置かれている状況のせいもある。
が、何より気になるのは目の前の二人のこと。
「…?
貴方は食べないんですか?」
マドック刑事は、パーシバルがアネリの後ろに立つだけでテーブルに着こうとしていないことに気が付いた。
思わず訊ねると、パーシバルは至極当然のことのように答える。
「私達使用人は、主人が食事を済まされた後で食事を摂るのが決まりなのです。
当たり前のことでございましょう。」
まるで飼い犬だ。
一般人が聞いたなら100人中100人がそう感じることだろう。