マイティガード


そんな時だ。

脇道の草むらがガサガサと大きく音を立て、


「!」


身構えるパーシバルとアネリの前に、見知らぬ初老の男が立ちはだかった。


落ち窪んだ目とこけた頬。
明らかにやつれたその男の手にあるのは、警官が持っている物と同じ、小さめのピストル。
粗野な身なりに対してこれだけは新品同様なため、盗んだものだということはすぐに予想がついた。


「…う、動くな…っ!

テメェ…その顔、その髪…ッ、間違いねえ。リトル・レッド社の社長の娘だな…!?」


歯をがちがち震わせながら男が叫んだ。

リトル・レッド社。その名前を口にした時、彼の目に悲しいくらいの憎しみの炎がこもったのは明白。



< 20 / 352 >

この作品をシェア

pagetop