マイティガード
いつになく憂鬱な気分だ。
それは使用人二人の板挟みになっていることの他にも理由はある。
アネリは後ろの窓に目を向ける。
「ひどい天気ね。」
外は豪雨だった。
横殴りの雨が窓を叩き、ばちばちと音を立てている。
景色が見えないほどの雨と、真っ黒な厚い雲。
どの道外出は禁じられているのだが、こう天気が悪いと何もしなくても気分が下がってしまう。
アネリは溜め息混じりに自分の三つ編みの束を撫でる。
髪が湿気を帯びたせいで纏まらなくなってきたのだ。
それに気付いたパーシバルは、すかさず提案する。
「お嬢様、よろしければお結い直ししましょうか。」
「んー。
そうね、お願い。」