マイティガード


今よりずっとずっと大きく見えたパーシバルの膝の上で、絵本がめくられストーリーが読み進められるたび、あたしはドキドキして仕方なかった。



『いばらの道をぬけ、白馬に乗った王子様はついに、お姫様の眠るお城へたどり着きました。』


白馬に跨がって剣を構える、凛々しい王子様の姿。
あたしは声を我慢できなくて、パーシバルが読んでいる最中もがんばれ、がんばれと声援を贈る。



…けれど、次のページがめくられた時、



『…王子様はお城に住まう、火を吐く恐ろしい怪物に、正義の剣を突き立てました。』


かっこよく剣を振りかざす王子様と、

お姫様の前で剣にやられる、恐ろしい怪物の絵が現れた。



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