マイティガード


トレイシー警部に保護されたアネリは、彼の口からマドックの境遇をすべて聞かされる。


「そう…。」


「……お嬢さんにはなんて言ったらいいのか、オレには見当もつかねぇ…。

ウィリス……いや、マドックがしでかした不始末は、上司であるオレが何としてでも責任をとってみせるから…。」


とは言え、トレイシー警部の顔色は暗い。今まで見たことがないくらいに。


警察内部のしかも部下の中に殺人犯がいるとなると、トレイシー警部の責任は決して軽くないはずだ。

…だがそれは、警察という機関が責任をトレイシーただ一人になすりつけてるようにも見える。


アネリはそれが釈然としなかった。

マドックの話を聞いたあとならなおさら。


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