マイティガード
《…さて。
アネリ、お前へのご褒美は何がいいかな?》
「え……?」
耳を疑う。だって、ご褒美は今貰ったばかりだ。
ルロイが二つ以上のご褒美を認めるなんて今までなかったこと。
《久々にパパと遊んでもいいよ。
近い日だと来週の二、三日くらいじゃないと無理だが。
取引先と会う先約があるけど、アネリのためならそんな交渉は取りやめたっていい。
平気だ。リトル・レッドの資産を考えたら小さな取引だ。》
「……………。」
受話器を握りしめたまま、アネリは葛藤する。
ルロイと一緒にいられる…。
今まで過ごした中で一番新しい記憶は、二年前の初めのたった1時間だけ。
それを考えたら二日間なんて充分すぎる期間だ。
「……パパ。嬉しい……。」