マイティガード



《…さて。
アネリ、お前へのご褒美は何がいいかな?》


「え……?」


耳を疑う。だって、ご褒美は今貰ったばかりだ。

ルロイが二つ以上のご褒美を認めるなんて今までなかったこと。


《久々にパパと遊んでもいいよ。
近い日だと来週の二、三日くらいじゃないと無理だが。

取引先と会う先約があるけど、アネリのためならそんな交渉は取りやめたっていい。
平気だ。リトル・レッドの資産を考えたら小さな取引だ。》


「……………。」


受話器を握りしめたまま、アネリは葛藤する。

ルロイと一緒にいられる…。
今まで過ごした中で一番新しい記憶は、二年前の初めのたった1時間だけ。

それを考えたら二日間なんて充分すぎる期間だ。


「……パパ。嬉しい……。」



< 334 / 352 >

この作品をシェア

pagetop