マイティガード



さりげなく足元を確認しながら歩いていたパーシバルの目が、アネリのショルダーバッグから微かに覗いている地図へと向く。


「お嬢様、申し訳ございません…。」


そうだ。本当は二人で街を散策するはずだったのに。
自然と謝罪が口をつく。


アネリはすぐに察したようで、地図を見えないようにしまい直す。


「またいつでも行けるわよ。
もとはと言えば無茶な作戦立てたあたしに非があるんだもの。
どうしてパーシバルが謝るの?」


「………お嬢様………。」


残念、悲しい、寂しい、…いやどれも違う。
アネリのせっかくの外出を駄目にしてしまったことでパーシバルが感じたのは、

デボンへの殺意だった。



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