マイティガード
アネリは予想以上に冷たく、素っ気なく答えた。
「彼らが仕えてるのはあたしじゃなくパパ。
正確には、パパのお財布。
だから命を懸けたりしない。危険を犯さない。リスクも負わない。
さっきの彼女に至っては、
…小さい頃、食事の時間に襲撃されたあたしを助けるどころか、気付かないふりして危険が去るまで廊下で待ってたわ。」
どれだけ恐ろしかったか。
どれだけ助けを求めたか。
幼かった自分を傍観した瞬間に、彼らが唱える忠誠とは上っ面ばかりの綺麗事だと思い知らされたのだ。
「あたしが危ない目に遭った時、助けてくれるのはパーシバルだけ。
だからパーシバルは信用してるの。ちっちゃい頃からずーっとね。」
そう補足して、傍らのパーシバルにニコリと微笑みかければ、
「私には勿体ないお言葉でございます。」
パーシバルもまた幸せそうに微笑むのだった。