危険なスキ ~不良くんのお気に入り~


私は思わず自分の格好を見てしまう。

冬生地のワンピースにお気に入りの白いハーフコートを羽織り、ショートブーツを合わせてみたんだけど。


おかしくないかな?と不安になる。

それというのも昨日、



『明日はちゃんと女らしい格好で来いよ』

と、借り物の服を指差しながら言われたから。



「……ところで、どこに行くの?」

私は恐る恐る西園寺くんに聞いてみる。

駅前で待ち合わせしてからそのまま、何も聞かされない状態で電車を待っている。

切符はすでに購入されていたし、有無を言わせずで。

「着くまで秘密だっつったろ」

「そうだけど……」

そういうやり取りの間に電車がきて、西園寺くんは私の手を引いて車内に乗った。



 
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