スピン☆オフ
廊下の奥には、小さな噴水がブルーの照明でキレイにライトアップされている。


さっきまでの爆音とは違い、心地よい水の音が聞こえ、観葉植物が至る所に置いてあり、高級感で溢れている。


薄暗い廊下の手前から3っつ目のドアの中に入った。


そこは、どこかのスウィートルームのような部屋だ。


ここは一体…?


部屋の真ん中にある大きなソファに座った。


「この部屋は?」


「ここね、秘密の部屋なんだ。」


ニッコリ笑いながら、秀が言った。


「秘密の?」


「そう。特別な人しか入れない。」


「どうして?」


秀は、笑ったまま答えなかった。


「元々はオレの爺ちゃんが、このビルをホテルにしようとしたんだ。
だけど、入るはずのホテルが倒産してね。
それでビルを遊ばしておくのもったいないって、クラブと地下のここだけ残したってワケ。」


尚吾が言いながら、冷蔵庫からビールを出してみんなに投げ渡した。


「まぁ、クラブを見れば、ここが何に使われるかは想像におまかせ。」


秀が言った。


「でも、俺ここに入ったの初めてっすよ?」


「当たり前じゃん!!普通のヤツは入れないから。秀とオレが、ホテル代わりに使うのがメインだし。」


「最低ぇ~!!!」


軽蔑した目で、尚吾だけを見た。


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