スピン☆オフ
窓の外のビルの間から、少しずつオレンジ色の光が差し込んで。


雨上がりの空の雲の切れ間から差し込む光のよう。



---まるで、あたし達のこれからを示しているかのようで。



不思議な光景に見とれていた。


「なぁ、オレは約束するよ。」


突然、耳元で囁いた。


「なにを?」


「器の体は誰かのモノになっても、中身の心だけは唯だけのものだって…。」


「……うん。わかった。」


小さくつぶやくと、覚悟を決めたはずなのに、寂しくて仕方なかった。


すっかり朝日が昇りきると、着替えて帰る準備をした。


尚吾は何も言わず、タバコを吸ってソファに座ってた。


「それじゃあね!!」


元気良く笑顔でドアの前に立った。


「おうっ!!」


尚吾も笑顔で答えた。


クルッとドアに向かうと、ドアノブに手を掛けた。


このドアを開けて出て行ってしまえば、もう尚吾には触れられない。


友達にならなきゃいけない。


ミュウと尚吾の寄り添う2人を見なければいけない…。



込み上げてくる思いに、どうしてもドアが開けられない。



だけど…

だけど…。


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