その妖、危険につき
「ぐえっ!」
直後、おじさんの妙なうめき声とともに、ふいに手が離れた。反射的に目をあけると、おじさんは地面に倒れていた。
「おまえは目を離すとどうしようもないな」
あきれ顔の廉が立っていた。
「な、んで?」
私のことなんていないみたいに、廉は腰を落としておじさんの胸ぐらを掴んだ。
「おい、おっさん。警察呼ばれたくなかったら、さっさと失せろ」
廉が低く呟くと、おじさんは手足をばたばたさせて、足をもつれさせながら逃げていった。腰が抜けて、地面にへたりこむ。