【完】play boy にご用心
理科準備室には私の運んできた資料が散らばった。
でも...。
「何とか顕微鏡だけは無事だったぁ。」
そう、声に出していた。
思ったことをすぐに口に出してしまうのは私の悪いくせ。
「君、大丈夫?...って牧野か。」
聞き覚えのある声がして顔をあげた。
そこには、チョコレートブラウンの髪をさらっと揺らして手をさし伸ばしてきた。
「神山くん...。」
そう、この人こそ私の初恋の相手。
いや、今もずっと好きな人。