冷たい君の裏側に


そして、待ちに待った金曜日。

部活に入っていないあたしは、放課後まで時間をつぶした。
そしてチャイムと同時に、校庭に向かう。

しばらく待つと、息を乱した相崎が来た。


「…ほんとに待ってたのかよ」
「当たり前じゃん」
「…」


「もしかして、あたしのために走って来てくれた?」

相崎はフイッと顔をそむけて


「…なわけねぇじゃん」


って言った。
でも、わかっちゃった。
顔赤くして、目をそらして言う否定は、肯定でしょ?
勘違いじゃないよね?


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