涙龍





心のどこかで信じてたけどね。





きっと誰かが追いかけてきてくれるって



でも、どれだけふりむいたって誰もいなかった






けっきょくだれも追いかけてなんか来なかった。




苦しい、苦しい。




翔さんさっきの効きすぎたみたい





だってあたし、こんなにも歪んでる






翔さんは、あたしを歪ませすぎた








「甘えてたのは、父さんがいた頃のあたし…あの時、死んだほうがよかったのかな」



そう言って笑うと、部屋をでた








「りん!!!」






と、叫んだじいちゃんの声は夜の空に吸い込まれた









< 13 / 36 >

この作品をシェア

pagetop