君が教えてくれた。
始まり。
ポツンとたった桜の木にやさしい春風が吹きつける。

「よっしゃぁ!1位だぜ!1位!」

運動神経がいい君が無邪気な笑顔ではしゃいでいる。

「はいはい。わかったわかった。」

親友の唯があきれた顔で言う。


体育の時間。

私,中学1年生の男子っぽい!?『東 麻友』は、とにかく足が遅いんです・・・。

「麻友おっそ!よく部活でレギュラーとれてるよなぁ~」

この口悪男『朝比奈 ヒロ』が私にむかって言う。

「いいもーん。足が遅くたって。そのかわりあんたと違って性格はいいし♪」

運動まあまあでチビでドジで結構口が悪い私はキレ気味で言う。

「わかりましたよー。チビ麻友さーん。」

「うっざ。なにそれ・・・・。」

「まぁいいや♪俺、また走ってくる♪」

(はぁ!?変な奴・・・。)



私とヒロはいつも男友達みたいにふざけあっている。


でも、このとき私はそんなヒロに対して好きという感情はなかったんだ。


それがあんなに熱くなるなんて思っていなかった。


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