夫婦ごっこ
すれ違う想い
帰り店で待っていて

ビオンに言われて私は帰る時間を気にしながら
ビオンが来るのを待っていた。

ライブが終わって帰って行く人たちは

「よかったよね~~これから応援しよう~。」
口ぐちにそう言いながらライブハウスを出て行った。


「ごめん。遅くなって。
なかなか切りあげれなくて…悪かったな。」

ビオンが来たのはそれから一時間近くたってからだった。

「よかったね。すごくよかったよ。
お客さんも 盛り上がってたし 大成功だね。」

「サンキュー…。明日向こうに発つよ。」

心の中に穴が開いた。

「そう ずい分早いのね。」

「デビューまでスケジュール満杯だったからな。」

「頑張って 私も応援してるよ。」

「うん。」

しばらく沈黙が続いて ビオンが

「家の近くまで送ってくよ。
チャリンコだろ?」

「ありがとう。」

これ以上顔を見て話したら 泣きそうだったから
私は立ちあがって店を出た。


「お~~めっちゃ満月だ~~。」

ビオンが言うように
凄くキレイな大きな月が輝いてる。
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