夫婦ごっこ
夕飯は近くのファミレスで食べた。

「さすがに腹ペコ……。」
恒くんがやっと食事をとった。

「今日はなんだかあっという間だったね。
結婚式はもう10日きっちゃったんだ。
恒くんの親って私まだ…あってないけど…来るんでしょ?」

「ああ。」

「しばらく会ってないから…緊張するな。」

「なんもうるさいこと言わないよ。再婚したし……。
自分の家庭のことで頭いっぱいで あんたの
好きにしなさいだけだったから。」

「ね…どうして結婚したいって思ったの?
ずっと聞きたかったんだけど……。」

恒くんは少し間をおいて
「なんでだろうな……。きっと寂しかったのかな。」

「寂しい?相手は誰でもよかったんでしょ?
もちろん私じゃなくても…。」

「まぁ…いいじゃん。
そんな話はさ。もう結婚しちゃったんだし
深く今更考えたとこで時間の無駄だろ。」

恒くんはそういうと店員にデザートを催促した。

「話が広がんないわ。
親に聞いてみよう いつからこういう
偏屈な人になったんですかって。」

私はムッとしながらサラダを口にほおぼった。
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