夫婦ごっこ
控室に行くと 母親が来て

「すごい人だよ。なんだかうちは少なくて…
居場所がないんだけど。」

父親と話していた。

「おねえちゃん 写真撮っていい?」

桃音は制服でいいのにわがままを言ってホテルから
振袖をレンタルしたらしく
華やかな真っ赤な着物でルンルンしてる。

同じ姉妹なのにと言われるが
私が一本線でかける顔なら桃音は手を加えないと
いけないくらいくっきりはっきりした
華やかな顔をしてる。

両親も濃い顔なのに私だけがこんなに薄いのは
母親のじいちゃんにそっくりだったからだと
よく言われた。


「紅は拾ってきたんだよ。」
母親は思うように点数が取れない時 そう言って
私を傷つけた。

  じゃあ頭が悪い桃音は あんたらの子なんだね

そう言ってやりたかったけど
いい子のフリをしてる私はそれも言えなかった。


「おねえちゃん~~キレイ~~。」

  そんなこと本当に思ってるんだか…どうか…

「花嫁はキレイなのはあたりまえよ。
桃音の時はもっともっとキレイだと思うわ。」

  母の声……。

悪い子に転落していた私を憎んでいる母の言葉


ここには居場所はない……。
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