夫婦ごっこ
恒くんが会場の扉の前でスタンバイしていた。


「お待たせしました。」
スタッフがそう言って私を恒くんの横に立たせた。

「あれ?恒くんは着替えなかったの?」

「結婚式は奥さんのためだからね。
俺はこれで充分。」

「私 恒くんの思うような花嫁さん?」

「完璧だな。」

恒くんの言葉がめっちゃ嬉しくてピョンピョン飛んだ。

「コラ…もう少しだからな。
じゃ行くぞ。」

軽快な音楽が流れている。

扉を開けて再入場

「可愛い~~~。」


恒くんがろうそくを持ってキャンドルサービス


キャンドルライトに照らされて
私はみんなの前に幸せな花嫁に写ってるかな?

笑顔でテーブルをまわる。

「おめでとう」の声

「幸せにね~~。」


幸せって……どんなんだろ?
偽りのこのイベントでも私はとても幸せだった。


恒くんがいるから……。
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