男子校の七不思議?【BL】

「この部屋には男の霊が居るんだ、間違いない」

部屋に通され、座った途端に、退院したての久芝(ひさしば)先輩は言った。
向かい側から俺たちの方へ身を乗り出して訴えてくる彼の肩を、同室の樫本(かしもと)先輩が掴んで引き戻し、お茶を出してくれた。


「だから、この部屋に幽霊なんて憑いてない」

自分も座ると、樫本先輩はため息を吐きながらそう言った。


「居るって、絶対!俺は見たんだ!」

叫ぶように反論する久芝先輩に、
樫本先輩は、呆れているように見えるが、何かを言いたげにしているようにも思える。
それが少し気になったのだが、

「まあまあ。とりあえず何があったのか、聞かせてもらえませんか?」

千秋が早く聞きたそうだから、口は挟まない事に決めた。


久芝先輩は少し落ち着きを取り戻し、
この部屋であった事を語り始める。


「怪我をする前から、
しょっちゅう視線を感じてたんだ」


< 14 / 73 >

この作品をシェア

pagetop