日常的幸福論~もうひとつの話~
「いやぁ~、悪かったな。沙依、飛鳥も。レオ預かってもらって助かったよ」


悪い悪いとは言いつつもそんな風に思ってなさそうな謝り方で朝方、悠一さんが我が家にやってきた。


「ユーイチー!! サエとアスカと遊んでもらって楽しかったヨ!!」


スーツケースを持って玄関で俺たちに向き合うレオ。


「またいつでも遊びに来てね」


「元気でな、レオ」


たった一泊とはいえ、あんなに壊いてくれたレオ。
見送るのが少し悲しくなる。


「まだしばらくは日本にいるから……。あっ、サエ!!」


「ん?」と沙依はしゃがみこんでレオに目線を合わせた。



「サエ、I love you...」


そう言ってレオは沙依の頬にチュッとキスをした。


「レオ!! っお前、何してンだよ!?」


子ども相手だろうが沙依に触れていいのは俺だけなんだよ!!


「アハハ!! 怒らないで。アスカ!!サエ!! 結婚おめでとう」


「レオの方が大人かもね」


沙依が笑いながら俺の方を向いた。


きっと、いいや。絶対に今の俺カッコ悪い。


「うるせぇ…」



「じゃあね、サエ、アスカ!!」


そうして騒々しくレオは我が家を帰っていった。


「やっと静になったな」


「レオ、パワフルだからね」


「寂しい?」


「そりゃあ、ちょっとね」


沙依は元々、子ども好きだったからな。



「じゃあさ、」


俺が言った言葉に沙依は目を丸くして驚いていた。


可愛いやつだ。


――じゃあさ、



俺たちの子ども、作ろうか?―――



エピソード5・小さな恋敵【完】






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