ルージュ ~盲目の恋に溺れて~
首を傾けて不思議そうに私を見る。


「どうしたんですか?」


「いや、先にランチでもどうかと思って」


「お昼ですか?」


「うん。どうだろう?」


私は腕時計を見て、今が正午過ぎであることを知った。


浜辺に行く前、先にランチを取るのも悪くない。


「あっちの階段を上がると、レストランがあるんだ。シーフードレストランだよ」


遠藤さんがそう言って、遠方を指差す。


「海辺のレストランですね」


「うん。行こう」


「はい」と返事して私は遠藤さんに従って坂を下りずに、駐車場の奥にある階段を上がることにした。


登りきると、ホテルの大きな建物が見えた。


海に突き出すように建てられたホテルは崖の上にあった。


レストランはそのホテル内にあるというので、私たちは中へ入った。


レストランは、床が海を感じさせるコバルトブルー色で大きな窓からは海が見えた。


潮騒が聞こえてきそうなほどそばにあるので、そこからの海の眺めはダイナミックだった。


窓際の席は客で埋まっていたので、真ん中の席を案内された。


その席からでも十分、海と空を望める。








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