【完】キミがいた夏〜Four years later〜
■知らされる真実■

side 渚


**side 渚**




美鈴が帰った後に残ったのは、小さな鈴




チリチリン──……‥




『これブタ?』


『は?うさぎだろ?』




携帯電話に付けていたあれは俺がいつか美鈴にあげたストラップ




『嘘だぁ~ブタだよ?』



大きな目をそれより大きく見開いて屈託なく嬉しそうに笑う少女



その笑った顔が見たくて、女しか行かないような雑貨屋に入って恥ずかしさと格闘しながら買った



最初で最後のプレゼント



そして昨日、携帯電話を落とした拍子に外れたこの鈴はあのストラップに付いていた



彼女の俺に対する気持ちと一緒にとっくに捨てらたと思っていた



それなのになぜ…



今も尚あんなに大事そうに持っていて



その一方で他の奴と結婚するなんて言い出すのだろう



美鈴のことは考えても考えても毎回答えが出てこない



俺は小さな鈴を掌で握りしめていた





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