【完】キミがいた夏〜Four years later〜




お店の入ったビルの前に着いたのはお昼をだいぶ過ぎたころだった



大学は夏期休暇に突入している



「確かビルの横の階段…」



沙羅さんに教えられたことを思い出しながらビルの回りを見渡すと、ビルの側面に階段を見つけた



そしてそこを登るとすぐにロックされた扉が行く手を遮る



もちろん、このことも沙羅さんから聞いている



覚え込んできた暗証番号を手早く押して、続けてエンターキーを押すと扉の施錠が解かれる電子音が聞こえた



その音を確認してから中に足を踏み入れて周りを見渡す



入り口こそしっかりていたけれど、中は案外簡単な作りだ



女の子ばかりを住まわす為に扉だけ後に付けたのかもしれない



教えられた部屋番号を探してその扉の前に立つと、インターフォンを目の前にして俺は小さく深呼吸した



また拒否されるのは目に見えてる



けれどもうこれが本当に最後だ



そんなことを考えながら、インターフォンを少し強めに押していた




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