【完】キミがいた夏〜Four years later〜
side 綾香
***side 綾香***
渚を学校で見掛けるのは久しぶりだった
彼を見つけただけで心が弾んでいく自分がいる
渚が講堂に去っていく背中を見送りながら私はまた小さくため息を付いた
「綾香~!今の渚先輩?」
「え?ああ、うん」
そんな私に挨拶そっちのけで大学のサークルで仲良くなった何人かの女の子達が話しかけてきた
ここK大にも『サーフィン同好会』なるものがあって、渚もその同好会に所属している
もちろん私も…大学入学と同時にそのサークルに入った
当たり前のようにここでも渚の人気は凄かった
高校を卒業して以来、テイクオフでたまに会うぐらいしかなかった私は不安でたまらなかった
もちろん…
自分がこんな気持ちを持ってはいけないことを、充分わかっている
「でも綾香って渚先輩とホントに何でもないの?」
「え!?」