美加、時空を越えて
島美加「この人が昨日話した私のそっくりさん。
守、すごく似てるでしょ」

美加、何かいいかけようとするが、やめる。
目にはうっすらと涙がにじんでいる。

守「本当に似てる。見分けがつかないや。
これで名前も美加ならすごいや」

光と瞳の姿がどこに行ったのかいない。

しかし、美加はそれに気付かない。
守から目が釘付けになっている。
美加が遠慮がちに言う。
「私の名前も美加なんです」

島美加「すごい。こんな偶然ってあり?」

守「じゃあ、美加さんと美加、病室に戻ろうか」

美加は守に抱きつきたい気持ちを必死に堪えていた。
(今、私の目の前に守がいる。
生きている。
嬉しい。
生きていることだけで嬉しい。)

光と瞳がどこからか現れる。
瞳が美加に(こっちへ来て)と目くばせをした。

美加「どうしたの?」
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