私のスーパーマン

今日も彼らしい試合だった。

力強いサーブだったり攻撃だったり、時にはブロックで攻撃を防いだり。
本当に良い試合だった。

後の約束に向けた緊張も足されて、私は3倍くらいドキドキしたのだった。



「あー、かっこよかった!」


試合前後、いつもなら裕樹さんがこっそり手を降ってくれるけど、今日は降ってくれなかった。
早紀を後で驚かせるためだからと理解する気持ちとちょっと残念な気持ちが入り混じった。

そして試合後、いつもなら裕樹さんや遥くんはギリギリまでいるのだが、今日は早々と帰ってしまったので私達も会場を後にした。

「そうだね!
でも今日はゆ…橋本選手も遥くんもはやく帰っちゃって残念だったね…。」

「本当よ!
遥ってば白状者だわ~。

ねぇ、ムカつくからケーキでも行かない?」

「いいね!
実は私も行きたかったの。」

なんて言う。
早紀が誘ってくれたのは予想外だったが、元からそのつもりだったのだ。

ごめんね早紀。
私、嘘ついてます…。

早紀のためとはいえ、嘘をついてる事に胸が痛くなった。

偶然にも裕樹さんと約束していた店に行きたいと言ってくれたので、作戦どおりに実行できた。
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