パラドックスガール
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「…ねぇ、あれってさー」


「ああ、あの人」


廊下を一人で歩くと聞こえる声。
あたしを横目でチラチラと見、近くにいる友人らと小声で交わす言葉。

…聞こえてるんだよ馬鹿野郎。

言えたらどれだけスッキリすることか。
だが、相手にしててもしょうがない。
そんなことしたら、余計に発展するだけ。
それにまず、あたしが面倒くさい。

真っ直ぐ前だけ見て、教室に向かった。



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