カテキョにぞっこん!

せっかく1時間も前からつけておいたエアコンも、開けっ放しのドアのせいで効きが悪い。

階段の方からは、生温い空気がどんどん流れて来るし……




なんでわざわざ開けておくんだろ
べつにいいじゃん、汗かくじゃん!




それでも陽サマは、そんなことを気にすることもなく、相変わらず涼しげな顔で私の隣に座っていた。

部屋についてのコメントも、
まったく無し。



陽サマは母が用意した小さな丸椅子に軽く腰をかけながら、私の夏休みの課題をじっくりと眺めて。

それから、メガネにかかる少し長めの前髪を、指先でいじるような仕草をする。



ポカンと口を開けないよう母には言われていたけど、

やっぱり気がつくと、陽サマを見ている時の私の口は、適度な具合に開いていた。




目がきれ〜い、肌もきれ〜い
写真撮りたぁ〜い……





「教科書を見せてください」


「あっ!は、はいっ!」




なにか一言話しかけられるだけで、私は全身で反応してしまう。


棒読みのような、やる気のないような……素っ気ないどころか、私に向かって言ってるのかさえわからないような話し方なのに、

私はその陽サマの声だけで、天にも昇るほど高揚して


ドキドキ、クラクラ……
ときめきまくってしまうのだ。




< 10 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop