カテキョにぞっこん!



まだ風の冷たい2月の終わり。


それでも空気の中には、ほんのりと春の匂いを感じる。






「やったー!これでまた、春から一緒に通えるよぉ」



私と香奈は、
見事近くのT高校に合格した。





「さぁ~、まずは彼氏でしょ彼氏!高校生になったんだから、今度こそは甘い恋愛を手に入れるのっ!」



ただ香奈の意気込みだけは、中学生の頃と全然変わらなくて。



「さすがにあのリボンの水着じゃもうダメだよ。もっと大人なビキニにしないとねぇ~」


「ちょっと由利……たしかあの時は可愛いってほめてくれたよね」


「もう高校生だからねぇ。感性も変わるんだって」


「ひどっ!それひどくない?」




合格発表を背に校門へと歩いて行く私たちの会話には、まったく成長なんて感じられなかった。





「それよりさぁ、私もやっぱりカテキョつけた方がいいんじゃないかって、親が言い出してるんだよね。由利はもう頼まないの?」


「う〜ん……どうかな」




相手がカッコイイと、正直勉強に集中できないからな……


なんて、すっかり頼むなら陽サマと決めている私。




「由利の所の陽サマがどれだけ素敵だったのかは結局分からないけど、私も頼むならカッコイイ人がいいなぁ……。
うん!
あんな感じの人なら良くない!?」





香奈が指を差す正門横……




陽射しの中で、
誰よりも素敵に立ってる人がいる。





「先生!」



「えっ!なに?なんなの??」





でも晴天の空に、ピンクの傘はとっても不釣り合いだね。



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