カテキョにぞっこん!

終業式のあった日だというのに、すでにプールは満員状態だ。



「だって今日はとくに暑いもん。
仕方ないよね」



そう呟く香奈の水着も、人混みのせいでほとんど目立たない。




「それで?
その陽サマはいつから来るわけ?」



香奈は浮き輪につかまりながら、興味深そうに聞いて来た。


なんだかちょっと顔がにやける。

だってまるで、彼氏の事を聞かれてるみたいなんだもん!




恋愛経験のない私は、こんな程度でそう感じてしまうのだ。




「来週から週2回だって〜。
どうしよう、今日駅前に、服とか買いに行こうかなぁ」



いつものようなTシャツ姿じゃ、ほんの少しの色気もない。



「すっごい大人っぽいのにしたら?
だってそこから、恋が始まるかもしれないじゃ~ん!」



香奈も自分のことのように、興奮してる。



「ちょっと香奈〜、そんなわけないんだから、やめてよぉ」



私は、大げさに水を掻き分けて香奈に抱きついた。




たぶん、全然そんなわけないような顔はしていないと思われる私。

にやけすぎて頬が痛い。




私はどうやら心だけじゃなくて、頭の中までも陽サマに射たれてしまったみたいだ。



< 8 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop