家族の時間
光が丘総合病院の前で何か事件がおきたみたい…麻子は人だかりを見て思った。
真吾は、外泊許可が出て健が病院に迎えに行く事になっていた。
麻子は真吾の病室に向かっていたその時、
「おばさん!!」
と呼び止められた。
麻子は振り返ると、処置室の前に、車椅子に乗った真吾と顔と手に絆創膏を貼った葵がいた。
「どうしたの!?葵ちゃんその怪我…まさか!?」
麻子は処置室に入ろうとした。
「健なら大丈夫…かなぁ」
真吾は葵を見た。
「母さん大丈夫、左手を骨折しだけ。」
健が処置室から出てきた。
処置室にはまだ患者さんがいた。
「どうして、あんたが骨折して、葵ちゃんが傷だらけなの?」
麻子は健に聞いた。
「おばさん、私のせいなの。」
処置室から麻子の声を聞いて、藤堂早苗(とうどうさなえ)が出てきた。
「祐理(ゆり)が主人を見つけて飛び出したの。」
「その車が一つ向こうの通りでひき逃げしてたみたいで…。」
健が続けて言った。
「犯人は捕まったの?」
「祐理の飛び出しのおかげか二人の名誉の負傷のおかげか、犯人は電柱に車をぶつけて止まったの。それでつかまったわ。」
早苗が一気に言った。
麻子は少し安心した。
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