あくまで天使です。
「………塩酸で溶かした時の反応を熱化学方程式でしめせっと。わかる人いますかー?」
問いを書き終えた彼女が声をかけるが、誰も反応を示すものはなし。
てっきりべリアルがいるから、いいところを見せようと女子が躍起になるかと思っていたが、恥をかかない戦法でいったらしい。
この反応かわいそうだなーと黒板に目を移す。
まだ書き終えてなかったからなのだが、視界の隅で教師がうれしそうに私を見た。
「では葉木さん!お願いしまーす!」
「え」