あくまで天使です。
「べリアルは見た目はまぁあんたの言う通りのやつだけど、心に秘めているものはだれよりも強くて気高いんだよ。誰よりもその本人よりもそいつのことを考えて行動してるって、間近で見て分かったよ」
不良の時も、ドッジボールの時も。
彼は彼なりに励ましたり、助けてくれたりしてるんだ。
「そんなことも分からねーなんて、てめぇは馬鹿か!」
べリアルの口癖になりつつある、単純で明確な悪口で締めくくった。
シンっと奇妙な空気になる。私はべリアルのほうを見ず、まっすぐアリエルを睨みつけていた。
「………くっははは!」
空気の折を破ったのはアリエルの高らかな笑い声だった。