あくまで天使です。
幸せじゃねえ俺がどうやって幸せにすんだよ、と食い下がったが絶対的な力を持つ神は耳すら貸さなかった。
まっいっか。とすぐに諦めはついた。
天使として生きるのも疲れた。今度は人として生きたい。こんなくそみてぇな空にはもう帰らないつもりでいた。
人間界でダラダラ生きて寿命を終えてやるよ。いくら長命の天使だといっても寿命は存在する。
考え事をしながら落下していると、気が緩んでコンクリートに羽が突き刺さった。
もがいていると、小麦色に焼けた女がケータイ片手にこちらを呆けたように見つめた。
「何見てんだドブス」
それが出会いだった。