あくまで天使です。


話しかけると、そんなつもりじゃなかった、と慌てた口調でまくし立てた。


金には不自由したことがないので、それも一緒に買ってやろうと決めた。


だが、レジで


「ペアでよろしいでしょうか?」


「………ああ」


否、と頼まなかったのは絶対熱があったからだ。うん。それしか考えられねえ。


捨てるわけにもいかず、首にかけてあった。


あいつに見えないようにコートの下にいつも冷たくも温かい感触を感じていた。


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