最強で最高な恋の物語。略して「最恋」〜サイコイ〜


「じゃ、帰ろっか」

「はいっ」


キィイ・・・・

あたしは自転車を押し、彼は私の隣に立ち、
二人でゆっくりと横断歩道を渡った。


「じゃあ・・・気をつけてっ!」

「ありがとっ!海瀬君も、気をつけて帰ってね?」

「ありがとうございますっ!美架さんも轢かれないように!!」

「あ、気をつけます・・(笑)じゃあね!」

「はいっ!失礼しますっ!」

そんな挨拶をしながら手を振り別れ、
あたしは颯爽と自転車を漕いだ。
自然と出てくる笑みを押し込めつつ
今日あった出来事を思い返す。
だけどやっぱりニヤけが止まらない。


良い事があった日の帰り道は
例え一人でもなんだか清々しい気分だ。


♪〜♪〜♪〜♪〜


自然と鼻歌が出てくる。

しまいにはもう鼻ではおさまらず、歌っている。
とことん単純な奴だ、あたし・・


「ただいまーっ♪」

家に帰りついても上々な気分のままで、
お父さんに頼まれては面倒で
やる気の起きないお風呂掃除も楽にこなせる。

なんてすごいんだ、恋のパワー。

ちょっとの幸せのおかげでたくさんの事にやる気が起きる。

まぁ、勉強にだけは起きないんだけど・・(笑)
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