青い月の夜に


「それにしても、もう一人の彼ねぇ……」




“もう一人の”




ハルキと類さんにはその言葉がしっくりくる。




しかし、奈菜は何か腑に落ちない様子で首を傾げている。




「でもさ、そんなそっくりな2人に出会えた私って凄いよね!」




そんな奈菜とは真逆に、私は明るいトーンの声で奈菜に笑顔を向けた。




「うん、そうだね」




奈菜も同意して、小さく笑ってくれた。




私は素直にそう思っていた。



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