桐谷先輩が好きなんですが!!


“今日も桐谷先輩に会えますように。”


そう願ってから、家を出るのがいつしか私の日課になっていた。


「いってきまーす」



家を出て、スキップしながら歩いていると、道端に小さなお花があった。


なんだか花が凛々しく見えて、私は思わず顔の筋肉が緩む。


「お前なに、ニヤついてんの?」


そう、後ろから声がする。


「…げっ」


「げ、じゃねーよ!なに嫌な顔してんだよ」


朝から会いたくもない人間に出会ってしまい、私のテンション右肩下がり。


「べーつに」


そう言い残して、スタスタ歩く。


< 3 / 29 >

この作品をシェア

pagetop