小さな恋のうた *毎日更新中*
第一章

小さなキミ

『先生~、マジありがとう』


ハイテンションに握手を求めてきたのは、副顧問をしている野球部のエース・長友大樹。


『何だ?気持ち悪い』


大樹の手を振り払う。


『いや~、ホントありがと。さすが、先生だね。他の先生とは違うわ』


『だから、何が?』


大樹の言っている意味がさっぱり分からない。


『またまた~、とぼけちゃって。クラスだよ、クラス!』


『あ~…』


今日は、4月1日。


新しいクラス発表の日だ。


大樹の言いたいことが分かった。


『そんなに、オレのクラスになったのが嬉しいのか』


けど、あえて、違うことを言ってみる。


『そうそうそう。…ってアホかっ!違うよっ!!早川だよ、早川っ!早川鞠っ!!』


知ってるよ。


『マジで。オレ、クラス見た瞬間、叫んだもんね』


その姿が想像つく。


「ホント、こいつ、うるさかったから」


大樹とバッテリーを組んでいる植木茂が言う。


『だろうな』


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